『巧遅より拙速』、警備経験者なら聞いたことがある言葉でしょう。元のことわざは『巧遅は拙速に如かず』、中国の兵法書『孫子』から来た言葉で、出来が悪くても早い方がいい、つまり物事はすばやく決行すべきであるという意味です。 施設警備員は緊急事案が発生したらまずは報告する、断片的でも第一報を速やかにクライアントに連絡する際に『巧遅より拙速』と言われます。しかし、残念ながら緊急時の報告ができない警備員が存在します。人倒れや救急車要請があっても詳しいことがわからなかったからとクライアントに報告せず、クライアント側から「駐車場に救急車がいるけど何かあったの?」と問い合わせが来るなんてことがあります。 緊急事案などないに越したことありません。しかし、ひとの往来がある以上、人倒れや迷子・不審者などのトラブルは起きてしまいます。このような時に適切な対応ができるかどうか、警備員の資質が問われます。
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情報伝達は『巧遅より拙速』
施設内で人が倒れている、迷子を発見などすぐに対応しなければならない事案に遭遇した時、第一報は5W1Hではなく、目の前で起きていることとその時点でわかること(性別や年齢など)を速やかに報告することが求められます。その後わかった情報を随時報告が基本です。
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警備会社のレベルが問われる
警備会社はピンからキリまであります。レベルの低い警備会社は指導教育がいい加減なため、緊急事態に遭遇してもどうしていいかわからず、ただオロオロしてるような役に立たないボンクラ警備員ばかりになってしまいます。クライアントにまともな報告もできず、いざという時に頼りにならないと信頼を失うことにも繋がります。
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用務員のような警備員
私はある私立女子中学校での勤務経験があります。警備業務としては登下校時の立哨や校内巡回などですが、庭の池の水の補充や門前の掃除、教職員宛ての荷物預かりと管理といった用務員のような雑事の方が多かったです。当時の会社は高齢者が多かったせいもあってか、スーパーで買い物かごの整理整頓やゴミ出しといった警備員でなくてもできる業務を多く請け負っていたようです。このような会社・現場では警備員としてのスキルは身に付かないです。ただの警備ごっこ、警備員の制服を着た用務員です。『巧遅より拙速』の言葉すら知らないかもしれません。
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まとめ
①警備員は『巧遅より拙速』を基本に報告・行動している。
②警備会社はピンからキリまで。レベルの低い警備会社の警備員は緊急時の対応ができないボンクラばかり。まともな警備員が育たない。
③警備員と用務員の仕事は違う。両者の違いがわからない警備会社やクライアントが存在する。
以上、緊急時の報告と行動についてでした。『巧遅より拙速』は新任・現任教育で必ず聞く言葉です。もしこの言葉を知らない警備員がいるならば、その会社の教育に問題があると思った方がいいでしょう。緊急対応時の行動で警備員の資質が問われます。警備経験が長くて何でも知ってるような人が、緊急時に何の役にも立たないボンクラだったなんてことはよくあります。一度化けの皮が剥がれたら役立たずのレッテルを貼られてしまいます。そうならないように日々勉強が必要ですね。
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