警備会社・大手と中小

一般の人に知っている警備会社の名前を聞いたら、出てくるのはテレビCMで有名な『1234ア○○ック』と『セ〇ムしてますか』の2社ぐらいでしょう。しかし、日本の警備業者(警備業法第4条に基づく認定業者)数は令和4年12月末現在10,524社、警備員の数は58万2,114人です。大手と中小の違い、私は大手2社での勤務経験がないので、口コミサイトを参考に検証して行きます。

大手は好待遇なのか

現在の一つ前の会社がセ〇ムの関連会社でした。わずか半年の在籍でしたが、やたら規則が多い印象でした。『通勤時はスーツ着用』『勤務2時間前までに出発上番』『勤務前の私物検査(実際に持ち物を検査しないが指定用紙に所持品を記入、現金は金額を記入して退勤時に金額が減っている場合は買い物等の理由を書く)』など面倒事が多かったです。それまで無名の中小企業在籍で通勤はTシャツにGパン、学校の生活指導みたいな持ち物検査なんてなかったので窮屈に感じました。

福利厚生は大手の方が充実しているようです。従業員の社会保険や厚生年金加入については、中小はいい加減な所が多いです。私が最初に在籍した警備会社は契約社員は社会保険未加入でした。私は5年間、契約社員だったので自分で国民保険料を納めてました。国民年金は給料が安くて払えず、5年間未納でした。また、中央省庁に配属の会社は使用期間の3か月後に社会保険加入との説明を受けましたが、該当時期が来ても手続きしてもらえませんでした。こちらから催促したら手続きしてくれましたが、本来会社の義務である福利厚生がなされない中小零細企業は少なくないようです。

勤務時間や休日は大手も中小も人員不足ゆえ、ワークライフバランスの取り方は難しいようです。セ〇ム関連会社在籍時は日勤は8:00~20:00と勤務時間が長く、当務中心でしたが月の残業時間が50時間前後でした。これがキツイか普通か感じ方は人それぞれですが、私はきつかったです。プライベートを犠牲にしてまで働くタイプではないので、普通に日勤8時間労働で十分です(給料面では不十分ですがここでは労働時間だけを考えての話です)。そして休日申請も月2日までとの縛りがあり、仕事中心の生活を強いられているように感じました。

給与については大手の方が規定が明確な気がします。特に昇給・賞与・各種手当は大手の方が充実しているようです。中小の警備会社は昇給も賞与もない所が殆どです。私も警備業界で働くようになって賞与をもらったことはありません。大手は金額はわかりませんが、賞与の支給はあると聞いてます。また、勤務評定で職能給も付くようです。私が在籍した中小企業は、基本給は新人も10年選手も同じ最低賃金、真面目に一生懸命仕事しても正当な評価がされないので、どんなに優秀でも仕事ができないボンクラ隊員や働かないおじさんと給料は一緒、出勤日数や勤務時間が多ければ役立たずでも高い給料がもらえるのです。

人の入れ替わり

大手も中小も基本的に人の入れ替わりが激しいようです。給与水準が他の業界に比べて低く、プライベートタイムを削って自分の時間を切り売りしなければ稼げない、一日8時間労働で週5日勤務では人並みの生活が難しい、これが警備業界です。それに加えて正当な評価がされない中小企業ではいくら頑張っても報われない、長く勤めても昇給しない、一つの会社で長く働くメリットが殆どないのが実情です。大手企業は資格の数が多ければ相応の評価がされるようですが、何度も試験に落ちてる警備員は評価が下がる厳しい環境だそうです。資格が取れない警備員は居づらくなって退職、中小の同業他社に流れて来るのです。

職場環境か労働条件か給与か

職場環境は配属先にどんな人がいるかで左右されます。大手だから環境が良いとは限りません。いじめやパワハラが横行、隊長がワンマンな独裁者、些細なミスで吊し上げや長時間立哨などの体罰、これらの事案は大手でもあると聞きます。むしろ大手は社則が厳しいゆえ、スパルタを気取ったパワハラが正当化されていたりします。

労働条件はどうでしょうか。大手企業は福利厚生や給与体系は充実していますが、休日が少なくて勤務時間が長いなど従業員に滅私奉公を要求する傾向にあるようです。超有名な大手2社はいずれも歴史が長い企業、昭和の社風が根強く残っているのかもしれません。

給与は昇給・賞与がある大手の方が良さそうですが、中小でも勤務日数を調整できたり、稼ぎたい隊員が複数現場を掛け持ちできる会社ならそれなりの金額はもらえるのではないでしょうか。とは言っても人間の体力には限界があります。一年365日働きっぱなしは不可能です。やはり、年2回の賞与の有無の差は大きいです。

職場環境・労働条件・給与、どれを優先するかは人それぞれです。いじめやパワハラがない平和な環境で働きたい、ライフワークバランスを考えたい、たくさん稼ぎたい、これらが全てクリアできる職場と巡り合えればいいですが、残念ながら警備業界では難しいでしょう。

まとめ

①必ずしも大手が好待遇とは限らない。

②最大手も中小も人手不足なのは変わらない。

③職場環境か労働条件か給与面かは人それぞれ。

以上、大手と中小の警備会社の違いについてでした。本文では具体的な比較での明確な違いは述べていません。私自身、大手企業に在籍した経験がないので、口コミサイトやこれまで見聞きした事案を参考に独断と偏見でまとめました。警備業界は最大手2社がダントツで有名ですが、最大手以外の警備会社もそこで働く警備員も頑張ってます。どうか温かく見守ってください。

タイトルとURLをコピーしました