連続勤務

私がこれまで在籍した警備会社(現場)はどこも常時人手不足でした。現場に必要な人数(ポスト数)に対して隊員の人数が足りず、当直勤務(以下当務)明けにそのまま日勤に突入する勤務形態が常態化してました。他にも当務を二日連続48時間、夜勤から当務などの長時間勤務する隊員は珍しくなかったです。私は空港保安時代に一度だけ当務から日勤の36時間勤務を経験したことがあります。出勤予定の女性隊員が発熱で欠勤となり、その穴埋めでした。一度ぐらいなら「これもいい経験だ」とどこか楽しみながら乗り切ることができます。しかし、私が経験した日勤での連続勤務はきつかったです。私服保安員時代に経験した10日連勤と13日連勤で感じたことをまとめてみます。

当務からそのまま当務と日勤の連続通勤

施設警備では元々の人員不足や勤務予定者の急な欠勤で、前日の当務隊員が退勤できずに残って連勤することがあります。36時間または48時間と長時間勤務になってしまいます。体力的には決して楽ではない勤務形態です。しかし、私が経験した日勤10連勤・13連勤もきつかったです。

連続勤務を強要されたのは最初の警備会社で私服保安員時代のことでした。20年以上前で記憶が薄れてる部分もありますが、「どこかで一日休ませてください」と申し出ても「人がいないから」と一蹴されたことははっきり覚えています。入社して半年間、私服保安員として店舗での万引き犯検挙の業務に携わっていましたが、突然お台場のショッピングモールでの制服警備をやらされることになり、人員不足を理由に10連勤させられることに。私服警備の現場から外されて嫌な現場に配属された不満もあって会社に対する憎しみしかなかったです。

時が流れてお台場から抜けて私服警備専属で勤務する日々、ある日課長から電話でシフト変更の指示が来ました。13日連勤に「ちょっと無理です」と断りましたが、こちらも人員不足を理由に強引にやらされました。私服保安は店内で不審者を見つけて観察する、誤認しないように商品の着手から万引きの瞬間を現認する集中力を要するうえ、3~4時間立ちっぱなしで体力も要求される仕事です。心身ともに疲弊する業務を13日休み無しで強要する会社、間違いなくブラック企業です。

連続勤務に耐えられるか

施設警備で当務明け勤務はきつくないのか、何人かの隊員に聞いてみたことがあります。ほとんどの隊員は「帰るのが面倒だからこのまま連勤の方が楽」「稼ぎたいからこれでもいい」と言ってました。辛い、キツイとの声はなく、中には警備待機室に住んでるような人もいましたね。現場にもよりますが、長時間連続勤務は意外と耐えられるようです。

私が経験した日勤での連続勤務はきつかったです。心身ともに疲弊する業務内容、毎日帰宅して翌日出勤の繰り返し、日勤のため深夜手当や残業手当がなく、たいして稼げないなどマイナス要素ばかり、良いことはありません。疲れ切って帰宅しても夕食を作る気力もなく、連日カップ麺ばかり食べてました。一人暮らしのため、一週間以上休みがないと洗濯物は溜まる、掃除もできないなど部屋は荒れ放題で私生活の乱れにも繋がります。体の疲れだけでなく、心も荒んでしまいます。

連勤強要はブラック企業の象徴

長時間勤務や一週間以上の無休勤務をさせなければ業務が回らないブラック企業。給与の引き上げや労働環境の改善などの企業努力をせず、「嫌なら辞めろ」「代わりはいくらでもいる」「人が辞めたら募集すればいい」と既存の従業員を大事にしない、だから人が定着せずに慢性的な人員不足に陥ることに。そして既存の従業員に無理させてまた一人二人と退職者が出て人員不足に拍車がかかる負のループが続きます。ブラック企業に在籍していればこの負のループに巻き込まれて心も体も壊れます。その結果、働き続けることが困難になっても会社は助けてくれません。私も連勤強要のブラック警備会社に9年在籍して鬱病を発症しましたが、会社は「病気を抱えて会社にぶら下がられても迷惑」と暗に退職を促して来ました。9年間、心と体の健康を犠牲にして働いてもこんな仕打ちをされるのです。無茶な連勤を強要されて辛いと感じるようなら一刻も早く転職することをお勧めします。

まとめ

①当務から時間延長勤務と日勤の連勤の違い。泊まり勤務の連勤と日勤の一週間以上の連勤は全く異なる。

②現場によっては長時間勤務でも耐えられる。稼ぎたい、家に帰るのが面倒と長時間連勤を好む隊員もいる。しかし、日勤の連勤はメリットが全くない。

③ブラック企業は隊員に無理な連勤強要しないと業務が回らない。従業員が定着しないため、常に人員不足、既存の従業員は更なる無理を強いられて逃げるように退職。こんな状態が永遠に続く。

以上、警備員の連続勤務についてでした。業務を円滑に遂行するためには、心身ともにベストコンディションで臨むことが必要です。しかし、会社が従業員を大事にせず、劣悪な職場環境で業務をさせるブラック企業は少なくありません。心と体が疲れ切った状態で勤務していればミスやトラブルが発生する確率は高いでしょう。そんな疲れ切っている警備員が施設の安全を守るために万全の仕事ができるでしょうか?従業員の健康に留意できないような会社に尽くしても自分が壊れるだけです。会社よりも自分を優先して働ける場所を見つけましょう。

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