高齢警備員の衰え・体力と記憶力

警備員に限らず、高齢者は若者よりも身体能力や脳の働きが鈍くなります。これは加齢に伴う現象で誰にでも起こることです。これが高齢警備員の業務遂行の妨げになるのか、若い警備員よりも本当に劣るのか考えてみました。

高齢警備員は病気がちな人が多い

高齢になると、足腰の筋力低下や痛み、体力・持久力の低下、高血圧その他内科系の病気など様々な機能低下が起こります。休日は病院巡りなんて高齢隊員も多いですね。同じ体調不良でも若い人と高齢者では回復力も違います。若い人なら2~3日寝れば回復するような病気でも高齢者は長期入院なんてことにも。また、高齢者は筋力低下の影響で歩行が不安定になり、転倒・骨折しやすくなります。そしてこうした怪我や病気になると若い人に比べて回復に時間がかかります。そうなると欠勤が増えて他の隊員に負担をかけることになります。

記憶力・順応性

「年取るとなかなか覚えられなくて~」こんな愚痴を聞くことがよくあります。再就職や異動で新しい現場に配属されたらまずは仕事を覚えなければなりません。施設警備は施設によってやり方はそれぞれ、独自のルールがあったりして警備経験者でも新たに現場の業務内容を把握して理解しなければなりません。また、クライアントの上層部の顔を覚える必要があります。社長、店長、理事長など施設によってトップの呼び方は違いますが、施設で一番偉い人と幹部役員の顔がわからず、すれ違っても挨拶せずにスルーすると現場によってはクレームになることもあります。人の顔を覚えられないのは施設警備では致命傷になることに。

長年、同じ施設で働いていると業務内容の変更や改善がなされることがあります。しかし、長い間の手順や習慣を変えるにも時間を要します。脳の衰えは記憶力だけでなく、変化に対応する順応性にも影響します。よく『高齢者は頑固』と言われます。これはその人の性格もありますが、脳が柔軟に新しいことを取り入れたり、身の回りの変化について行けないのも原因の一つと言われます。

高齢隊員がみんなボケてるわけではありません。若いボンクラ隊員よりもテキパキ動く高齢隊員も少なからずいます。「覚えが悪くなった」と自覚がある人は意外とそうでもなく、仕事ができますね。逆に仕事が覚えられない人は自分がボケてる自覚がないです。何年経っても業務を理解できない、連絡用のPHSを度々自宅に持って帰るなど、認知症を疑いたくなるような高齢隊員もいます。彼らは自身の脳が衰えてる自覚がないから病院で検査するとの考えに至りません。仕事でミスしたことすら、すぐに忘れて学習能力もない状態だと思われます。

数年でリタイア

高齢警備員は脳や体の不調で長期的に働けない人が多いです。また、本人が健康でも配偶者が病気で介護が必要になり、不本意ながら退職した人もいます。経済的理由で働くことを希望して会社に残留しても欠勤が多い、仕事のミスが多いなどで入れる現場がなくなる高齢隊員もいました。警備員は配属先に出勤して規定の時間働いて賃金が発生するわけで、自宅待機では給料はもらえません。高齢警備員のリタイアは必ずしも自発的な引退ばかりではないのです。

まとめ

①高齢警備員は薬漬け。病気がちな高齢隊員が多く、薬を服用しながら勤務してる。

②仕事を覚えられないのは加齢のせいではなく、脳の病気も考えられる。高齢になれば多少は脳の働きが衰えることはあるが、認知症などの病気の可能性あり。

③第二の人生とは言え、長期間働けない高齢警備員。数年でリタイアする可能性が高い。

以上、高齢警備員の体力と記憶力についてでした。今の日本は体力・記憶力に衰えを感じながらも経済的理由で働かざるを得ない高齢者が多くいます。大企業では退職後に嘱託社員として再雇用、体力的に負担にならない条件で働くことが可能です。しかし、警備業界は人手不足が常態化してるため、高齢隊員にも若手隊員と同じように働いてもらわないと現場の業務が回らないのが現状です。若い隊員から見て高齢隊員は『鈍臭い老害』に思えるかもしれませんが、そんな若手もいずれは高齢者になるのです。耳が遠くなって無線が聞き取れない、老眼が進んで書類の文字が読めない、誰にでも起きることです。そして体の衰えを感じた時、すんなりと引退できるとは限りません。現役の高齢警備員も様々な事情を抱えながら体にムチ打って頑張ってます。今の警備業界はそんな高齢者が支えているのかもしれませんね。

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