私服保安以外の警備員は制服その他装備品が支給されます。しかし、必要な物を全て用意してもらえるわけではなく、個人で購入しなければならない物があります。支給品と購入品、会社によって個人負担で用意する備品が多いか少ないか差があります。
制服
制服は厳重な取扱いが必要なので、支給から返却まで会社の管理下でチェックされます。なので個人で購入することはないのですが、一部の会社では制服の預り金として1~2万円、初回の給与から天引きされます。預り金は退職時に支給品を全て返却すれば返してもらえるお金です。しかし、在職中に返却した備品を返してもらってないと嘘をついたり、制服の消耗がひどいと難癖をつけて預り金を返さない悪徳警備業者も存在します。
霞が関中央省庁から劇場に異動後、退職した会社での話です。有給休暇消化中に制服その他支給された備品を宅急便で返却したのですが、会社から電話で「ワッペンが2枚足りません」と。警備員の制服は胸と片腕の上部にワッペン(標章)を付けますが、この会社のワッペンはマジックテープで脱着できるタイプでした。在職中に制服が変わり、ワッペンが4枚支給されました。その後、支給枚数変更の連絡で2枚返却するよう指示があり、当時の現場隊長に返しました。その旨を伝えましたが、「返却の記録がない」との理由で入社時に天引きされた預り金1万円は返してもらえませんでした。隊長に返却した時に手違いがあったのか、会社の管理体制が悪かったのか、最初から預り金を返さないつもりだったのか、真相はわかりませんが、いずれにしても約束を守らない会社は信用できません。預り金がある会社では、在職中に返却した備品については返却日を記録する、返却の時に動画で撮影して証拠を残すなど対策が必要ですね。会社を信じてると私のように返してもらうべきお金を奪い取られます。
制服トラブルについてもう一つ。私服保安員時代の会社で、お台場ショッピングモールの制服警備を約2年間やってました。この現場を完全に離れたのと同時に制服を送り返したのですが、それから2年以上経ったある日、会社から「お台場の時の制服を返してください」と電話がありました。「とっくに返しましたよ」「こちらに記録がありません」「知らんがな」・・・。この件は弁償とか違約金などの話にはならず、結局はうやむやになりました。この会社での制服トラブルは私だけではありません。10年以上在籍していた先輩が既に返した制服の返却を要求されて、会社と揉めてこれが原因で退職してしまいました。この会社は制服の管理体制が杜撰だったのでしょう。ブラック企業なので事務方も人が定着せず、制服管理もまともにできない会社だったと思われます。
白手袋
支給されるか個人で購入するか会社によります。空港保安の会社は1双400円で買わされました。汚れやすいのでに2双買いました。他の会社は支給でした。中央省庁では会社から支給された他に、庁舎の守衛さんから未使用の白手袋をいただいたおかげで、こまめに使い回して洗濯することができました。白手袋は汚れやすいので1双しか支給されない場合は自分で予備を購入した方がいいかもしれません。
雨合羽・防寒着
これらは個別に支給される場合と、現場の警備室に置かれている数着を共用で使う場合があります。私は雨合羽と防寒着は学校警備で使いましたが、一人現場だったので支給品を使ってました。他は屋内勤務で必要なかったので、支給されても未使用でした。潔癖症の隊員は共用での着用を嫌がって、類似品を購入して使ってました。中央省庁では共用の防寒着を隊員でお金を出し合ってクリーニングに出そうとの提案がありましたが、数名が「自分の物じゃないのに金かけるのは嫌だ」と反対して何年も洗ってないままでした。そんな防寒着、私なら気持ち悪くて着られないです。
懐中電灯
懐中電灯は夜間巡回の必需品、大抵どこの警備室にも置いてあります。ただ、突然の電池切れに備えて小型の懐中電灯を個人で用意してる隊員はいました。
まとめ
①警備員には最低限の装備が必要。制服はもちろん、無線機、白手袋など。
②装備品によっては個人で用意する物がある。一部の備品を購入させる会社がある。また、予備の品を個人で用意した方がいい備品もある。
③個人で買うならできるだけ良い物を。特に靴は多少値段が高くても履きやすくて長持ちする物を。
以上、装備品についてでした。靴は黒の革靴(スニーカーOKの現場も)、靴下は黒又は紺色と指定がありますが、これらは個人で用意する物です。また、施設警備業務ではシャチハタの印鑑や筆記用具など細かい物が必要です。このくらいは仕方ないですが、やたらと従業員に自腹を切らせる会社はブラック企業でしょう。装備品以外でも新任教育で教本を買わせるような会社もブラック認定していいでしょう。空港保安の会社がこれでした。