私は2018年(平成30年)に施設警備検定2級を取りました。これより前に上級救命講習受講、防災センター要員資格も取得済です。また、2022年(令和4年)に現在の会社に再就職後、防火防災管理者資格の取得しました。施設警備は資格を必要としない現場が多いですが、一部の現場ではクライアントから『2級者〇名以上』『防災センター要員資格者』などの条件を提示されることがあります。実際に資格の有無で業務に差が出るのか、私の体験を交えて綴ってみたいと思います。
有資格者の知識
警備業務の検定試験は学科と実技があります。警備業務に関する基本的なこと・関係法令などの学科試験、自動火災報知機発報時の対応・出入管理業務・傷病者救助・通報などの実技試験をクリアして資格取得となります。試験に臨むに当たって当然勉強しますよね。私も試験日2カ月前から休日は試験勉強でした。実技については当時の会社が訓練をやってくれて事前講習1カ月前の毎日曜日は本社で実技訓練でした。こうした勉強は試験合格が最大の目的ですが、警備業務を遂行していく上での知識が身に付くことは間違いありません。そして2級又は1級取得は警備業務の知識を有してる証になります。
無資格でもデキる警備員
警備経験・社歴は長いのに資格無しの隊員も少なくないです。施設警備は現場によってそれぞれ独自のルールや業務内容があります。現場のやり方や業務の流れを習得するには相応の経験が必要です。また、施設警備は接客に必要な気配りや臨機応変の対応も要求されます。これらは資格試験の勉強だけでは習得できない、経験で学ぶことです。無資格でも仕事ができるベテラン隊員は経験を自身の糧にして業務を遂行しているのです。
資格者が仕事ができるとは限らない
「この人、本当に1級もってるの?」と疑われるような残念な隊員もいました。中央省庁勤務時代に一緒だった1級者は何度も同じミスをする、通行可の入館証を持ってない人を受付無しで入館させる、業務を理解できないなどダメな隊員でした。高齢で認知症を疑われるような仕事ぶり、若い頃に資格取得しても高齢になって物覚えが悪くなるとついて行けなくなってしまうのかもしれません。
資格取得のメリット
私が資格を取って良かったと感じたのは再就職活動の時です。2級を取得したのは中央省庁勤務時代でした。しかし、度重なるカスハラで過去の鬱病が再発、異動先の劇場では休憩がまともに取れずに4~5時間立ちっぱなしの過酷な労働環境に耐えられず、退職を決意しました。再就職と言っても50代後半で異業種に飛び込むのは無理と判断、同業他社で働くしかありませんでした。複数の警備会社への応募や面接では2級を持ってなかった頃と比べて人事担当の対応が明らかに違いました。業界全体が人手不足の警備業界なので未経験で無資格でも採用されますが、検定資格者は歓迎される傾向にあります。前述したように有資格者が優秀とは限らないけど、採用面接では有資格は大きな武器です。
まとめ
①資格取得は警備員としての知識を有してる証。
②資格を取得していなくてもデキる警備員は存在する。高齢警備員は資格よりも経験で勝負する。
③資格を取得していても優秀とは限らない。検定1級のボンクラ警備員は実在する。
④資格取得のメリット、信頼性。同業他社への再就職の面接では絶対有利。
以上、警備員の資格取得についてでした。世の中で持っていても邪魔にならない物、それはお金と資格です。そして自身の仕事に直結する資格を取得すれば有利なこともあるでしょう。本文では取り上げませんでしたが、通常の賃金に資格手当がプラスされて収入アップに繋がるのもメリットの一つです。
最近は一部ですが、資格を必要とする現場があります。通勤に便利な駅近でそこでの勤務を希望する隊員が複数いた場合、有資格者が選ばれます。資格取得は希望の現場に入れる可能性が広がることもあります。
また、同じ現場でも資格の有無で配置が差別化されるケースもあります。有資格者はエアコンの効いた防災センター室内で椅子に座ってモニター監視、無資格者は敷地の入口で猛暑激寒風雨の中での立哨といった具合です。防災センターには各種機械が設置してあり、発報時に対応できる知識がある有資格者しか業務に付けないのが理由です。
私は2級止まりですが、資格取得して良かったと実感しています。無資格が悪いとは言いませんが、無資格の10年選手よりも有資格者の1年生の方がクライアントからの信頼性が高い、これが現実です。