警備員は一般の人よりも防犯・防災対策の知識が身に付いているはずです。そしてこれらの知識を活かして、施設内の事件事故防止のために業務を遂行しています。しかし、警備員の業務がお気に召さないクライアントが存在します。お客様への挨拶や声掛け、巡回など防犯の一環としての業務が「お客様を不快にする」「目障り」などとクレームになることがあります。こちらの防犯対策に耳を傾けてくれるクライアントなら良いのですが、お客様ファーストしか頭にない担当者は厄介です。

警備会社は仕事をもらっている
近年、カスタマーハラスメントが社会問題になって来てSNSでも『相手が客でも毅然とした対応を』『スタッフと客は対等』などの意見が出ていますが、現実は仕事を与えられて料金をもらっている側は立場が弱いです。警備員が来館客やテナント職員に不快な思いをさせた場合、相手側に非があっても(禁煙エリアでの喫煙、自転車の無断駐輪など)口の利き方や態度が悪いと責められるのは警備員です。かと言ってルール無視の利用者を見て見ぬふりでスルーすれば仕事してないと叱られる、警備員は立場が弱いです。

警備隊とクライアント
警備員が規則通りに業務を遂行して間違っていなくても突然クライアントが規則を変える、昨日までOKだったことが今日からNG、私も複数の現場を経験しましたがこれはよくあることです。 以前勤務した現場で、立哨警備員が来館者に元気よく「おはようございます」と挨拶していたら「来るたびに警備員に声かけられる。不審者扱いされてるみたいで不愉快だ」とのクレームがあり、クライアントから無言で立哨するよう指示されました。しかし、今度は「ここの警備員は挨拶しない。感じ悪い」とのクレーム、クライアントから以前のように挨拶するようにとの指示が出ました。このようにたった1件のクレームで指示をコロコロ変えるクライアントに振り回される、これが施設警備の現実です。

まとめ
①警備員とクライアントは対等ではない。警備会社はクライアントから仕事をもらっている立場上逆らえない。
②警備員が規則通りに動いていてもクライアントが規則を変えることはどの現場でもあること。警備員はクライアントに振り回される。
以上、警備員とクライアントの関係性についてでした。 クライアントが白と言えば黒い物も白、逆らえば出禁・現場異動、最悪の場合は契約満了時に延長してもらえず、警備会社を変えられて仕事を失うことにもなりかねません。現場の隊員は今の現場が好きで長く居たいと思えば、クライアントの理不尽な要求も黙って受け入れるしかないのです。
