巡回業務・見逃し

施設警備の業務の一つに巡回業務があります。館内・敷地内での異常やトラブルの早期発見が主な目的です。また、警備員の姿を見せて不審者の侵入や犯罪などの抑止するための業務でもあります。しかし、巡回警備で見るべきものや留意すべきことを理解してない警備員は少なくありません。

手抜き巡回

平日の昼間は施設関係者やテナント従業員から常に見られているので、手抜き巡回で見落としがあるとすぐに指摘されます。案内プレートの落下、壁面の剥がれや落書き、その他些細なことでも警備員以外の人に異常を発見されると、施設管理担当者から隊長に巡回で気づかなかったのかと問い合わせが来ます。そして発見時間から遡って誰の巡回時間から異常が起きたのか、犯人探しが始まります。そして手抜き巡回がバレて隊長がクライアントからお叱りを受けるわけです。手抜きで巡回ルートを短縮したのか、異常があった場所を通ったけどボーっとして気づかなかったのか、どちらにしても仕事をしていないのと同じです。

夜間は施設関係者のほとんどが退勤して監視の目がなくなるので、業務の手抜きはバレにくいです。だからと言って、巡回ルートの短縮や完全スルーしていると異常があっても警備員以外に見つけてくれる人がいないので、火災や浸水などの異常が発生すると大きな被害になってしまいます。些細な見逃しがクライアントの信頼を失うことになってしまうこともあります。

歩き回るだけの巡回

巡回時、歩くのが速い隊員がいます。競歩の選手並みの歩き方、そんなに急いでどこ行くのと聞きたくなるような早歩き、おそらく見るべきものをまともに見ていないでしょう。施設の規模にもよりますが、巡回時間枠が30分または1時間と決まっていて少しでも早く終らせれば、次の配置につくまでの時間は待機室で休憩できます。そして巡回は大抵は一人での業務なので、ルート短縮の早歩きで短時間で済まそうと考える手抜き隊員が何人かいます。館内を歩き回るだけでは巡回の意味がありません。

異常を見つけても対応できない隊員

どんな施設でも巡回時にトイレ、各ゴミ箱、普段施錠されてるはずの倉庫の施錠確認、消火器などいろいろチェックする場所がありますが、各施設によって重点的に確認すべき場所は新人研修で教わるはずです。不審者や不審物を発見した場合の対応、館内の汚れやトイレの故障などを発見した場合の依頼対応など。しかし、何かを見つけても対応を面倒だからとスルーする、対応の仕方がわからないとほったらかし、次に巡回する人にやってもらえばいいとズルをする隊員はどの現場にも必ずいました。

お台場のショッピングモールでのことですが、トイレのゴミ箱が燃えているのを発見した女子隊員、捨てられたタバコの吸い殻が燃えていたらしいのですが、PHSで防災センターに連絡。男性隊員が駆け付けたのですが、女子隊員は目の前でゴミ箱が燃えているのに、水や消火器で火を消そうともせず、ボーっと眺めていたそうです。幸い燃えたのはゴミ箱だけで済みましたが、何ともお粗末な話で警備員失格です。駆け付けた男性隊員が「彼女は自分の家が火事になってもああして眺めてるだけなのか?」と呆れていたそうです。

まとめ

①巡回での手抜きはいつかはバレる。手抜きが原因の見逃しで事件事故が起きるとクライアントからの信頼を失うことに。

②巡回は散歩ではない。ただ歩き回って来るのは巡回ではなく、徘徊である。

③見るべきもの、対応の仕方がわからない隊員がいる。

以上、巡回業務についてでした。同じ施設で長く勤務していると、業務のマンネリ化で気が緩みがちです。巡回も毎日同じ景色を見ながら同じルートを歩いていると、なんとなく歩き回ってしまうことがあります。しかし、施設警備業務の中でも巡回は大事な業務です。短縮・省略などの手抜きはご法度、気を引き締めて臨まなくてはなりません。


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