女子トイレ巡回・女性隊員がいない警備隊

警備員の男女比は男性が約93.2%、女性が約6.8%です。典型的な男社会、女性隊員がいない施設警備隊も多く存在します。女性の応募が少ない、当務や夜勤は男性隊員との会社の方針、産休・育休に理解がなく対応できない警備会社が多いなどの理由が挙げられます。私が現在働いている施設も女性は私一人です。私が入るまでは、発報時と閉館時の無人確認以外で女子トイレを巡回することはなかったそうです。巡回業務の一環としても男性隊員が使用中の女子トイレに無理して入るのは相当勇気がいることでしょう。場合によっては犯罪者扱い、トラブルやクレームの火種となってしまうでしょう。

男性隊員が女子トイレの確認

以前、デパートでトイレの順番待ちで並んでいたら背後から「トイレ巡回です」との男性の声、振り返ると警備員でした。しかし、女性客の列を見て中に入らずに入口でチラ見してすぐに立ち去りました。『このデパート、女性警備員がいないんだな。でも何も確認しないで巡回と言えるのかな。中で不審物や人倒れがあってもわからないよね』というのが私の感想でした。様々な施設で女子トイレ・女子更衣室・授乳室など女性しか入れない空間があります。男性警備員しかいない施設では、こうした場所の巡回ができず、異常を見落とすことになります。これでは万全の警備体制とは言えないのではないでしょうか。

トイレは死角が多い

施設のトイレは各個室や用具室など不審物を放置しやすく、不審者が身を潜めるに都合の良い場所です。だからこそ、中に入っての目視が必要なのですが、女性隊員がいない施設警備隊では女性専用の空間での異常を発見できず、事件事故に繋がることになります。また、トイレの詰まりやひどい汚れなどがあってもお客さんから指摘されるまで放置されてしまうことにもなります。

女性隊員の必要性

近年、一部の警備会社で女性を積極的に採用する動きがあるようです。女性しか入れない場所の巡回だけでなく、受付での接客や迷子対応などの業務は女性の方が良いなど、女性隊員を置くメリットが理解されつつあります。その一方で女性は体力がないので当務は無理、非力な女性に不審者対応は無理などと『女性は使えない』と考えている昭和気質の警備会社も存在します。                            令和になってからの話ですが、霞が関中央省庁から劇場に異動になって劇場の仕事があまりにきつくて再就職活動をしていました。複数の警備会社に応募しましたが、そのうちの一社から「女性はNG」と言われました。また、警備員専用の求人サイトに登録、希望は『埼玉県内の施設警備』、たったこれだけの条件なのに「紹介できる会社はありません」と言われました。当時は既に施設警備2級を持っていたのですが、女性というだけで選択肢が狭まってしまうのが現状です。                               先述のデパートの女子トイレ巡回のように男性が入って来るのは客の立場としては気持ちいいものではないし、女性客の体調不良や困り事はやはり女性警備員が対応した方が良いと思います。

まとめ

①男性隊員にとって使用中の女子トイレは恐怖。

②トイレの中は死角だらけ。中に入ってきっちり確認しなければならない。

③施設警備隊に女性警備員は必要。

以上、男性警備員の女子トイレ巡回事情と女性警備員の必要性についてでした。                             これは警備業界に限ったことではありませんが、女性蔑視や男尊女卑がまかり通っている職場に進歩や発展はないでしょう。どんな仕事でも女性だからこそ役に立てることはあるはずです。                 しかしながら殆どの警備会社では産休・育休・時短制度の活用がされていないようです。結婚や出産を考えている若い女性には働きにくい業界でしょう。業界全体で女性の活用を考えた方がよいのではないでしょうか。

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