出入管理業務は現場によってルールは様々ですが、どの施設も不審者を入館させないのが主な目的です。私服保安員時代、勤務に入る店舗のバックヤード入口で入退館簿に氏名等必要事項を記載して入館しました。現在は受付対応する側ですが、施設によっては複数の入退館簿と入館バッジがあり、納品業者・作業入館・店舗スタッフなど細かく分けられています。受付対応する警備員は間違いのないようにお客様に記入のお願いと案内をしなければなりません。現在の複合ビルは、テナント出勤簿と作業者の入退館簿の2種類があります。テナント職員と外部の作業者で対応が違うのですが、その違いを覚えられない高齢隊員がいます。
出入管理の記入ミス
現在の現場に半年前に小学校の現場から異動して来た高齢隊員がいます。この隊員の口癖は「わかんねぇ」。毎朝ほぼ同じ時間に出勤して鍵を取りに来る職員がわからない、出勤簿に記入するのを見ればどこのテナントの人かわかるはずなのにボーっと立ってるだけで鍵を渡さず、職員に催促されてモタモタと鍵を探すようなボンクラ隊員です。また、館内インフォメーション担当の女性スタッフに対しても同じようにモタモタ対応、2名しかいない女性スタッフの顔を半年経ってもわからず、「あの人、誰?」状態。
ある日、テナント職員が受付に来てこのボンクラ隊員が対応、何か言われていましたが理解できなかったようで私に「わかりますか?」と。私が「何も聞いてないのでわかりません」と答えると、例の「わかんねぇ」を連発、改めて私が対応しました。この日は土曜日でオフィスは休業日、鍵が閉まっているので開けてほしいとのこと。解錠依頼なので一緒に行って鍵を開けるように指示したのですが「わかんねぇ」と。鍵の対応表を見てそのオフィスに対応する鍵とマスターキーを持って一緒に付いて行って鍵を開ける、こんな簡単な仕事も『わかんねぇ』。結局、私が対応することになったのですが、何気なく管理簿を見たらテナントの職員なのに作業者用管理簿に記入。このボンクラ隊員、記入してるのをただ眺めてるだけで「こちらにご記入ください」との案内もまともにできない警備員の制服を着てるだけのオッサンでした。
仕事を覚えようとしない
今の会社は高齢隊員が多く、高齢者が無理なく働ける現場が用意されています。一日4時間勤務の市内の小学校で児童の登校の見守りと用務員的な仕事、施設警備としては楽な現場です。このボンクラ隊員はそんな楽な小学校から異動してきたのです。警備経験者と言えども、現場が変われば一から覚えなければならないことも多いです。一日も早く覚えたければ、わからないことは先輩に聞くなり、自分で施設内を見に行ったりと勉強する心構えが必要です。そんな努力もせずにわからないことをわからないままにして、面倒な業務は「わかんねぇ」と他の隊員に丸投げで自分は席に座りっぱなし、まさに『働かないおじさん』です。こんな『働かないおじさん』、どこの警備隊にも存在するのです。
働かないおじさん
世間で話題になってる『働かないおじさん』、デスクワークのオフィスでしょっちゅうタバコ休憩で席を外す、新聞を広げたりスマホをいじってる、無駄話をしている、こんなイメージでしょうか。しかし、警備員の中にも働かないおじさんは存在します。高齢者が多い業界なので正確には『働かない爺さん』ですね。警備員はタイムスケジュールで時間ごとに業務が振り分けられていますが、働かないおじさんはとにかく楽をすることしか考えない、巡回は一部省略して短縮、モニター監視では居眠り、出入管理ではボーっとただいるだけ、何の役にも立たない警備員のコスプレおじさんです。そしてこんな高齢警備員を周りの人間が変えるのは不可能でしょう。働かないおじさんは給料泥棒です。
まとめ
①出入管理の記入ミスは警備員の責任。複数の管理簿がある場合は案内するのが警備員の仕事。
②仕事を覚えられないのは歳のせい。高齢者は若い人に比べて脳の働きが衰えるため、新しいことを覚えられない。
③警備業界にも働かないおじさんは存在する。頭を使うのも体を動かすのも億劫な高齢隊員はできるだけ楽をしようと「わからない、できない」と言い訳して面倒な業務に関わらないようになる。働かないおじさんはただの給料泥棒。
以上、働かないおじさんと出入管理についての話でした。本文で紹介した働かないおじさんについて隊長はしばらく様子を見るとのことでした。こんなやる気のない人がなぜ自分から希望して異動して来たのか。この隊員の奥さんがバリバリ働く人で、小学校で半日しか働かないことを咎められたそうです。そして会社に相談、当務があるこの現場に来たというわけです。警備員としてのキャリアや経験を積みたいという前向きな動機ではなく、女房に尻を叩かれて仕方なくとの理由に納得してしまいました。でもここだけの話、「こんなオッサン、スゲー迷惑!」です。