ブラック警備会社体験記【霞が関中央省庁編】

2014年入社 在籍期間7年 日勤

面接

この会社も面接即採用でした。居住地である埼玉県での勤務を希望していたので埼玉県の警備会社に応募したのですが、東京霞が関の合同庁舎で女子隊員の欠員が出たからとこちらの希望は却下されました。こちらも前の会社をわずか一週間で退職という想定外の状況ですぐにでも働きたかったので入社を決めました。

入社後のギャップ

私自身が肌で感じたと言うより、先輩隊員から話を聞いて徐々に内情を知ったという感じですね。

この会社は以前違う会社名の警備会社だったのですが、労働基準法違反・書類の改ざんその他違法行為が発覚、廃業となったと聞きました。その後、役員を入れ替えて社名も変えて新規開業したと。廃業前から在籍してた先輩曰く「昔と全然変わってない。相変わらずのブラック企業」とのことでした。

福利厚生・労働環境

社会保険等の加入は従業員からの申し出・問い合わせがないと放置されたままです。私も入社から半年後、会社にいつから社会保険に入れるのか問い合わせて「これから手続きします」との流れでした。本来はこれらの事務処理は会社の義務のはずですが、やはりこれがブラック企業の体質なのでしょう。

労働環境は悪かったです。とにかく忙しすぎる、出入管理と受付が主な業務でしたが一日に150~200人の入館手続きの対応してました。特に同じ時間に会議の予定が重なると出席者の長蛇の列、待たされて腹を立てた客からのクレーム、毎日が戦争でした。のんびりできるのはGWとお盆、年末の仕事納めの日ぐらいでした。

7年在籍しましたが隊長が5人も代わってます。入社時の隊長・副隊長はすごく良くて受付多忙時には男性隊員を応援に付けてくれましたが、それ以後の隊長に代わってから隊員のやる気が無くなって誰かが忙しかったり困っても知らん顔、自分の仕事以外は手を貸さない、自分さえ良ければという隊員ばかりになってしまいました。元々、給料が安いのでモチベーションが保てない状態ではあったのですが。

社風・人間関係

退職者が多い、私がいた中央省庁でも数えきれないぐらいの人が辞めて行きました。中央省庁は職員証の種類・幹部の顔・入館手続き方法など覚える事が多く、特に警備初心者にはキツイ現場だったと思います。仕事がキツイと辞める人は仕方ないのですが、多かったのは「求人広告や面接で聞いたのと話が違う」との声でした。1カ月の勤務日数や給料などの労働条件が面接で聞いた話と現場の体制があまりにも乖離していると会社に不信感を持って退職する人が本当に多かったです。

どの現場も慢性的な人手不足で現場で働く隊員を増やしたいばかりに実際の労働条件とは違う嘘の説明をして入社させる面接詐欺が常態化していたようです。しかし、結果的に騙された隊員は逃げて行き、いつまでたっても人手不足が解消しない、人員が定着しない状態が続いてました。常に人手不足の状態なのに新規契約を増やすため、現場の隊員は長時間労働や休日出勤を強いられるなど負担が増すばかり、それに伴って賃金がアップするわけでなく、隊員は次から次へと逃げて行くことに。

そんな心身共に疲弊した隊員が集まってもみんな自分の事だけで精一杯、人を思いやる余裕などなく、みんなバラバラ、当然ながら良い人間関係など築けませんでした。

退職理由

中央省庁に着任した5人目の隊長とソリが合わず、劇場に異動しました。しかし、あまりに劣悪な労働条件で退職を決めました。劇場も人員不足のため、ほとんど毎日シフト表通りに休憩が取れませんでした。しかし、賃金は実働時間で計算されるため、休憩時間の労働は無給です。警務担当に実情を訴えたのですが「これが普通」と話しを聞いてもらえませんでした。さすが筋金入りのブラック企業、給料はできるだけ払わずに隊員を働かせる、これが会社の方針、もうこれ以上この会社で働くのは無理、これが退職を決意した流れです。

労働条件、賃金、職場環境などブラックな要素が満載だけど唯一感謝してること、それは資格を取らせてもらえたことです。防災センター要員、上級救命講習、施設警備検定2級、全てこの会社で取らせてもらえました。おかげでこの会社を退職してからの警備員人生にプラスになってます。ありがとうございました。

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