ブラック警備会社体験記【私服保安員編】

2001年入社、在籍年数9年

面接

遠い記憶なので断片的ですが今でも覚えてる面接官からの説明、入社後半年間は契約社員、その後一年間嘱託社員、そして正社員との説明を受けました。なぜよく覚えているかと言うと実際は正社員になれなかったからです。そう、面接詐欺です。

入社後のギャップ

面接時に聞いた説明とまるで違って正社員への登用が難しく、同じ仕事をしているのに正社員と契約社員の格差が激しいことでした。入社後しばらく経ってからわかったのですが社員枠の人数が決まっていて(私が所属してた保安部は約20名)枠内の正社員が退職や死亡などで席があかない限り、契約・嘱託社員がどんなに頑張っても正社員に上がれない仕組みになっていたのです。ちなみに私は5年間契約社員、その後の4年間嘱託社員で正社員になることはかないませんでした。正社員になると年2回の賞与、そして毎月の給料も月給制です。嘱託社員は月給制ですが賞与なし、契約社員は日給制と同じ仕事をしていても給料の差別化が激しい会社でした。

あとは求人広告に『勤務地応相談』とありましたが実際は希望の勤務地に行けることはほぼありません。片道2時間以上の遠い勤務地なんて普通にありました。

福利厚生・労働環境

福利厚生は充実してませんでした。契約社員の5年間は社会保険・雇用保険・厚生年金全て未加入、嘱託社員になってやっと保険証をもらいました。会社の健康診断も嘱託社員になってからでした。

労働環境は決して良いとは言えませんでした。常に人員不足のため、希望休日が取りづらい、連勤強要、有給休暇はありません。私も10連勤、13連勤を経験しました。また友人が病死した時に葬儀に参列するために急遽休みを取ったらペナルティーとして一日分の給料カットとなりました。賃金が低い契約社員時代だったので痛い減給でした。こんなにも劣悪な労働環境でありながら給料は最低賃金レベル、退職者も多く人が定着しませんでした。

社風・人間関係

会社全体が社員を使い捨て扱いなので退職者が後を絶たない状態でした。これは私が在籍した9年間変わることはなかったです。私も鬱病を発症した途端、冷遇されましたから。業務担当・指導員に逆らっても冷遇されます。在職中、制服警備現場に配置された期間があって私服保安に戻してほしいと願い出たら「嫌なら辞めろ」と言われました。また現任教育でも課長から「シフトに文句ある人は辞めてもらって構わない」との発言がありました。役職者にとって現場の隊員は使い捨ての駒、人間扱いされてませんでした。

私服保安員は一人勤務の現場が多く、職場の人間関係で苦しむことは少ないですが上司との関係がこじれると厄介な会社でした。現任教育で目を付けられて現場でのミス(誤認事故)や店からのクレームを問題にして多くの出席者の前で吊し上げられます。私も現任教育のたびに吊し上げに遭い、普段の業務のストレスなどから鬱病を発症、二度も休職することになりました。

退職理由

鬱病の影響で仕事が辛くなっていた日々、現任教育で業務担当に大声で恫喝されたことが決定打となりました。この業務担当は現任教育のたびに私にネチネチ絡んでくる最悪の上司でした。そして度重なるパワハラを黙認する課長や他の業務担当、もはやこの会社に自分の味方はいないと悟った瞬間でした。課長に退職の意思を伝えた時、「そのほうがいいんじゃない」と冷たく言われたことは今でも忘れられません。お疲れ様の一言もありませんでした。

給料は安い、休みは少ない、真面目に頑張っても評価されない、やりがいもない、こんな会社に9年も在籍してたことを後悔してます。もっと早く行動してれば鬱病にならずに済んだかもしれないと。

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