ブラック警備会社体験記【宅配会社仕分け作業現場編】

2022年入社 在籍期間6ヵ月 24時間当直勤務

面接

某大手警備会社の関連会社でした。電話で応募、いくつか質問されましたが「これまで転職回数は?」との質問に「9回」と答えると「9回⁉ずいぶん多いな」と言われたので電話を切ろうとしましたが私が施設警備検定2級者だと告げた途端、「いつなら面接に来られますか?」と言われました。

履歴書を持って行ったのですが会社の指定用紙に学校卒業後の職歴を全て記入するように言われました。勤務形態の希望を聞かれました。24時間当直勤務(以下当務)は空港勤務で経験しましたが、体力的に厳しいと思ったので日勤と夜勤の組み合わせを希望しました。勤務時間や給料・資格手当などの説明の後、適性検査を受けさせられました。性格判断みたいなもので設問にはい・いいえ・どちらでもないのいずれかの回答をする様式でした。終わった後、解答用紙を機械にかけてたようでしたが「あ~、これはちょっと本社に通せないな」と言われました。診断結果はうつ状態と出たそうで、私もこの会社は縁がなかったんだなと諦めかけたのですが、なんと新しい解答用紙を持ってきて「今から私の言う通りに答えを記入してください」と言われました。これって適性検査の改ざんじゃないの?と思いながら面接官の指示通りに答えを記入して採用が決まりました。これでいいのかなと一抹の不安がありました。そして残念ながら入社後にその不安が的中してしまうことになりました。

入社後のギャップ

入社初日、東京本社に集合となりました。私は埼玉営業所所属でしたが東京本社の新人と一緒に新任教育を受けることに。受講者は12名、女性は私と東京本社入社の1名の計2名でした。新任教育は3日間、教官は参与と言う役職の元警察官でいわゆるスパルタ教官。受講者をお前呼ばわり、質問に答えられないと大声で恫喝、初日で入社を後悔しました。毎回、新任教育期間中にこの教官が嫌で辞めて行く人が必ず何人かいると聞きました。私もできれば辞めたかったですが、最低3か月は在籍しないと入社前に『受け入れ健診』の費用が自己負担になってしまう為、我慢せざるを得なかったのです。会社側も新人に逃げられない対策として、最低3か月は辞めないことを条件に入社前の健康診断費用を会社で負担する、3か月より短期で退職した場合は費用は自己負担としたのでした。なので教官に怒鳴られても12000円を取り返すために辞められなかったわけです。

新任教育最終日、東京本社と埼玉営業所は別々になり、私達の埼玉は業務担当(面接官)から説明を受けました。面接時に配属現場は決まっていてシフト表が配られたのですが私は絶句、すべて24時間勤務になっていたからです。私が驚いていると「現場の都合で今月から当務勤務になったから」と笑ってました。面接時の説明と勤務形態が違う面接詐欺に遭いました。

この会社ではあまり長くは働けないな、そんな直感が頭をよぎりました。

福利厚生・労働環境

この会社は現場隊員は正社員扱いだったので保険証はすぐにもらえました。その他、各種保険もすぐに加入できました。大手の関連会社なので福利厚生関係はしっかりしてました。

労働環境は悪かったです。2人勤務の現場で夜間は交代で仮眠を取ります。常勤隊員は私を含めて4名、ギリギリの人数でたまに他現場から応援の隊員が勤務に入ります。なので相番勤務の隊員が初対面なんて珍しいことではありませんでした。入社した時は正式な隊長はおらず、責任者がいたのですが性格に難ありでした。通院の都合で翌月の希望休を出した時、「シフト作る人の事を考えてよ。病院は明けの日に行けばいいでしょ」と嫌味を言われました。人員不足の影響で急なシフト変更も多く、病院の予約キャンセルも一度や二度ではなかったです。

希望休が取りづらい上、月の残業時間が40~50時間、頻繁なシフト変更、でも給料は安い、労働環境は最悪と言ってもいいくらいでした。

社風・人間関係

新任教育のスパルタ指導、仕事はきつくて当たり前、パワハラ容認など社風は昭和気質でした。社員を大事にする気はないようでほとんど消耗品扱い、嫌なら辞めろと言う雰囲気でした。

現場の人間関係は少人数ということもあって特に揉め事はなかったですね。ただ前述の嫌味な責任者とは極力関わらないようにしてました。そしてこの責任者が異動後に着任した隊長のパワハラがひどくて職場の空気は最悪なものになりました。

退職理由

正式に任命されて着任した隊長のパワハラに耐えられなくて退職しました。業務上のミスがあったら本人に直接注意や指導すればいいものを皆が集まる朝礼で名指しで吊し上げる、私も報告書の訂正印を忘れたからと朝礼で糾弾されました。また朝礼で基本動作の練習の際、うまくできない隊員に「バカか、お前は!」などの暴言もありました。入社当初からの会社に対する不信感やわだかまりでずっとモヤモヤしてましたが、このパワハラ隊長が現れてもうこれ以上ここで働けないと思い、退職を決意しました。

そして現在

この会社を退職してから5日後、現在の会社に入社しました。間もなく2年になります。某複合ビルで現役警備員として勤務してます。業務内容は主に防災センターでのモニター監視、後は巡回などです。防災センターでの座哨勤務中心なのでこれまで経験した現場よりもラクです。なので今は退職は考えてません。ただ状況は時と共に変化するもの、この現場でいつまで働けるかわかりません。契約満了と同時に他所の警備会社に奪われるかもしれない、会社都合で他現場への異動を命じられるかもしれない、異動先の警備隊に馴染めないかもしれない、現在の警備隊にいられたとしてもメンバーが大幅に変わる可能性もある、そして私自身いつまで元気に働けるかわからないです。でも、今は穏やかな精神状態で無理なく働けています。

『ブラック警備会社体験記』シリーズは今回で終了です。今後は私自身が警備業務を通してこれまでに体験したことや感じたことを書いてみようと思います。今後もよろしくお願いいたします。

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