こんな警備会社はヤバい

私自身の経験や元同僚など同業者の話からするとまともな警備会社なんてないに等しい、ブラック率100%と言っても過言ではないと思ってます。実際に私が在籍したヤバい警備会社の実態を記事にしてみました。

求人・面接

求人広告や面接で受けた説明と実際に入社して条件が違ったなんて経験はありますか?私が渡り歩いて来た警備会社では「話が違う。騙された」と感じたことが何度もありました。

例えば求人広告で給与欄『当社規定による』、勤務地『東京・神奈川・埼玉など』と内容が抽象的で給与の金額は明記されず、勤務地は『応相談・通勤距離を考慮』と記載されていても会社都合で勤務先が決められて応募者の希望が通ることは滅多にありません。

面接で聞いた話と実際が違うなんてこともありました。最初の警備会社では「入社後は契約社員からスタートしてもらいます。1年後に嘱託社員、その1年後に正社員になれます」と説明を受けましたが、契約から嘱託になるまで5年、4年後の退職まで正社員になれませんでした。この会社は正社員枠が20名で退職者等で正社員の空きが出ない限り、嘱託社員は何年経っても正社員に上がれません。嘱託と契約は約100名、毎年正社員枠が空くわけではないので正社員になれる確率は恐ろしく低いわけです。面接では数年で誰でも正社員になれるような説明をして応募者を騙し、契約社員として飼い殺し状態で働かせるブラック企業でした。

新任教育

新任教育は会社によって様々です。10人ぐらいが教場に集められる会社もあれば一人でマンツーマン指導だったこともあります。新任教育で「この会社、ヤバいかも」と感じて入社を後悔した経験を紹介します。

5人以上が一室に集められて新任教育が行われる会社は要注意ですね。新人を大量募集するのはすぐに辞める新人が多いからです。業務がキツイ、パワハラが多いなど理由は様々ですが脱落者を想定して多めに採用する、10人採用して5人が残ればOKとの考えです。働きやすい職場なら定着率は良いはずで欠員補充の求人なら1~2名で十分なはず、大量採用の会社はブラック企業の可能性大ですね。

そして初日と三日目・四日目の人が一緒に同じ講義を受ける、つまりはいい加減な会社もありました。実際、この会社は人が定着せず、年中募集をかけていました。私も現場研修期間に退職しました。きっとほぼ一年中、新任教育やってるのでしょう。やっぱりブラック企業ですね。

あとは新人を歓迎しない会社、新任教育では新人をお前呼ばわり、大声で恫喝など現場に出る前からパワハラが始まってるヤバい会社もありました。案の定、会社がパワハラ容認、のちに私の上司となる隊長もパワハラ野郎でした。

給与体系・労働条件

雇用契約者に記載されている条件が不透明な会社もヤバいです。前に在籍した会社の雇用契約者では資格手当が『当社規定による』としか記載されておらず、金額は明記されてませんでした。実際、検定2級でたった1000円ですから金額なんか明記できなかったのでしょう。防災センター要員などその他の資格についてはいつの間にか資格手当カットになってました。後でわかったことですが防災センター要員の資格手当は男性隊員だけに支給されていたそうで、平成後期から令和にかけての現代で信じられない男女差別に唖然となりました。

「嫌なら辞めろ」

こんなセリフが出てくる会社は従業員を大事にしません。「代わりはいくらでもいる」と従業員を使い捨て、人が辞めてもまた募集すればいいと考えています。そして警備業界はこうした会社が多いです。劣悪な職場環境に現場の隊員が改善を求めても労働者の声を無視して「嫌なら辞めろ」と逆ギレします。既存の従業員に長く働いてもらおうとの意識がない会社は長時間労働や無理な連勤を要求、会社の命令に従えない従業員には「嫌なら辞めろ」。

最初の警備会社の保安部課長が現任教育のたびに「嫌なら辞めてもらって構わないから」と言ってました。毎月の給料が異常に安く、生活費を賄うだけで精一杯で貯金などできない状態で辞めたくても辞められない、そんな従業員の足元を見て労働者を酷使、会社が労働者に求めることは劣悪な労働条件の下で文句も言わず、無茶な要求に黙って従う奴隷のような人材なのです。そして警備会社のほとんどがこうしたブラック企業なのです。

常時募集をかけている

年中求人広告を出してる会社はほぼ間違いなくブラック企業です。労働環境が悪いから離職率が高く常に人手不足、年中募集をかけている状態です。常時募集してる会社は『ウチはブラック企業です』と自己紹介してるも同然、私がこれまで在籍した警備会社はみんなこれです。こうしたブラック企業は従業員に長く働いてもらえるように労働環境の改善を考えるのではなく、半永久的に求人募集してその場しのぎの人員補充、この繰り返しです。労働環境が良く、人並みの給料で働きやすい職場なら毎月のように人が辞めて行くことはないはずです。しかし、離職率の高い警備会社は人手不足解消のための企業努力は全くせずに無期限の求人募集で凌いでいるだけでこうした『負のループ』が延々と続いています。

内勤者の電話対応が悪い

現場で働く隊員が会社に電話すると、時々面倒くさそうに対応する内勤者がいます。電話は顔が見えない分、相手の雰囲気が声で伝わるものです。「○○警備保障です!」と元気よく電話に出ても相手が現場隊員だとわかった瞬間声のトーンが落ちる、迷惑そうな口調に変わる内勤者が存在します。現場隊員を見下しているのは明らかです。

警備会社で直接利益を生み出してるのは現場隊員です。製造業や小売り・飲食業のように販売個数や売上など目に見える利益ではありませんが、クライアントからの『信頼』という形のない利益を積み重ねるために毎日勤務しています。そんな隊員達に労いの言葉一つもかけられない内勤者、大抵は役職付きの管理職ですがこんなブラック企業に尽くしても何も恩恵は受けられないでしょう。

我々が現場で働けるのは営業が契約を取ってくれるからだし、出退勤管理の管制、教育担当、我々の給与計算や有給休暇管理、制服管理、その他事務、どれも必要な部署です。だから本来はどこが偉いとか部署の上下などないはずです。内勤者が現場隊員に威張るような会社はブラック企業です。

労働基準局の立ち入り

過去に労働基準局から行政指導・立ち入り調査が入ったことがある会社は相当ヤバいです。労基法違反は刑罰ではなく、行政指導にとどまるため、改善命令が出ても改善策をまとめた書類作成で終りです。その後、実際に改善されてるか確認に来るわけではないので全く改善されてなくても問題なく営業を続けられるわけです。違法行為が常態化してる会社が指導が入った翌日から急にホワイト企業に生まれ変わるなんてまずあり得ません。性根の腐った人間が急に善人になるわけがないのと一緒です。

私が以前在籍した霞が関中央省庁が現場の会社は労基法違反や書類改ざん、その他違法行為により、行政から業務停止命令が出て廃業という黒歴史がありました。その後、社名変更して代表取締役その他役員を全て入れ替えて営業再開しました。これらの話は入社後に知ったのですが廃業前から在籍していた先輩曰く、「廃業前と何も変わってない」そうです。実際、過重労働や実働時間以外の勤務強要などの違法行為がありました。過去に一度でも行政指導を受けた会社は根本的な改善はしないというかできないのです。そんなブラック企業に良い人材が集まるわけはなく、常に人手不足で労基法を遵守していたら業務が回らないからです。こんなヤバい会社に長く尽くしても心身ともに壊れるだけ、少しでもマシな会社を探しましょう。

まとめ

①求人詐欺・面接詐欺に注意。入社後、「話が違う」と気づいたら退職することをお勧めします。嘘をつく会社など信用に値しません。

②新任教育で社風がわかることがある。大量採用、横暴な教官、交通費なしなど新任教育の様子でその会社の経営方針や社風がなんとなくでもわかる時があります。

③給与体系・労働条件が曖昧で不透明な会社は要注意。求人広告に金額が明記されてない、面接でも金額や労働時間をはっきり言わない、雇用契約書の条件欄で『当社規定による』との記載が多い、こんな会社はほぼ間違いなくブラック企業です。

④経営者や上司の決まり文句が「嫌なら辞めろ」、従業員を大事にしない証拠。従業員に長く働いてもらいたいと思うならこんな暴言を吐かないでしょう。こんな会社は従業員を使い捨て、「代わりはいくらでもいる」と人が辞めたらまた募集すればいいと思ってます。

⑤人が定着しない、離職率が高い会社は年中募集をかけている。安い賃金、パワハラ、歪んだ人間関係など労働環境が悪いから流動的に人が辞めて行きます。働きやすい職場なら毎月退職者が出るようなことはないはずです。

⑥内勤者が現場隊員を見下すような会社は隊員の声を無視。困りごとがあっても相談に乗ってもらえず、悩みを抱えたまま業務を続けなければなりません。現場隊員はいくら頑張っても正当に評価されることはありません。

⑦労働基準局の立ち入り・行政指導を受けた過去がある会社はブラック確定。性根の腐った人間が瞬時に真人間になれないのと一緒で、違法な会社が突然ホワイト企業に生まれ変わるなんてあり得ません。行政指導をやり過ごしたらまた同じ違法行為を繰り返すだけです。ブラック企業は営業停止処分や廃業に追い込まれても社名変更して何事もなかったかのように営業再開、廃業前と同じようなやり方で営業します。

以上、私が経験したヤバい警備会社の紹介でした。入社後に「この会社ヤバいかも。ブラック?」と感じたらできるだけ早く抜け出すことをお勧めします。警備会社は全国に10,524社(令和4年現在)あります。だからあなたが入社した1社にこだわることはないのです。警備業界以外での再就職が可能ならばもっと多くの企業からあなたが気持ちよく働ける会社がきっと見つかるはずです。ヤバいブラック企業で身も心も潰されないようにしましょう。


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